ヒットザボタン #散文詩

そのボタンを押せば 何かが始まる 導火線に 火が着いたり 秒針が 動いたり 体脂肪率を 計測したり 秒針が 止まったり 店員が慌てて 席へやって来たり 人命が 奪われたり マリオが ジャンプしたり 大量のお金が 一瞬で国境を越えたり 目の前の景色が デジタル変換されたり 寒かった部屋が 快適な温度になったり 欲しいものが 翌日家に届いたり でも、そのボタンを押しても きっと、誰かがくすりと笑うだけだと思うよ もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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かき氷 #散文詩

かき氷は 基本的には 果汁やらシロップやら 甘味を伴う何かを伴って 味を楽しむものでして うまいうまいと 甘味を伴う部分ばかりを 先行して味わってしまうと 後半悲しい思いをするものでして それがひとつの 悩みの種で あったわけですが そういう部分を 外側のみならず 内側にも秘めてもらえれば 心置きなく スプーンを進められる 有り難くも奥ゆかしいものでして 僕自身もまた このかき氷みたく 内側に一味二味程度 蓄えておくのがよろしいかとも思いまして もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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めでたいぐさ #散文詩

イグサで編まれた敷物を 自分の不注意で汚してしまい それなりに高価なものだったので 何とか汚れを落とそうとするも 努力の甲斐も空しく どうにもならんことが判明 いざイグサを捨てるとなると 生来の不精さがそれを許さない 生来の忘れっぽさも加勢して イグサはベランダで幾度か冬眠 近所の猫が日向ぼっこするのに 適した場所のようでもあり 個人的に悪い気はしない 今夏は猛暑日が続いたせいか 気紛れが不精に勝る頃合い ベランダに寝そべるイグサを 何気なく窺(うかが)うと 雨と相まって 良い養分でも蓄えたのか 風と相まって 良い種でも捕まえたのか 無機質なベランダに 見事な緑の芽を育んでいて そんじょそこらの安物では この目出度さを得ることは そうそう出来まいて そう自慢したいものだが ただ放置していただけの僕に この芽出度さを言い草に出来る そんな資格などろくになかろうて もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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隣人に問う #散文詩

本当ならば車窓に流れる景色を ぼんやり眺めたかったのだが 隣人があまりにも 苦しそうな表情をしているので 「大丈夫か」と問うてみる 少し息を荒げながらも 「大丈夫だ」と隣人は宣う 長旅ゆえに極力荷物を減らそうと 生憎、手元に薬はなかった 仕方なく黙ることにしたが 目的地まで まだ時間はかかりそうである おせっかいを承知で 「大丈夫か」と再び問うてみる 隣人は、少し間を置き 「問題はあるが、大丈夫だ」と 浅い息と一緒に、そう宣う 先刻は気付かなかったが その額には汗が滲んでいる 仕方なく黙ることにしたが 目的地まで まだ時間はかかりそうである おせっかいを承知で 「大丈夫か」と改めて問うてみる 隣人は、目を充血させながら 「問題はあるが、大丈夫だと判断した」と 深い息と一緒に、そう宣う あまりに具合が悪そうなので 「本当に大丈夫か」と更に問うてみる 隣人は、小刻みに震えながら 「問題がまだ表面化していないから、大丈夫だと思う」と 蚊の鳴くような声で、そう宣う なるほど 確かに私以外の乗客は 彼の様子に気付いていないようだ 此の国の文化と言われれば それまでなのだが 我が国ならば周囲が放ってはおくまい ともあれ 郷に入っては郷に従え 私はそれ以上 隣人に問うことはしなかった しばらくして汽車内にブザーの音が響く 私の目的地に着いたので 汽車を降りようと…

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あきにはるおもふ #散文詩

来る秋が近付いた分だけ 過ぎた春とは離れる 肌寒さを 朝晩感じるとは言え 夜は長い 春の景色を振り返ってみるに よい頃合いなのかも知れない 不釣り合いであろうとも 不都合なことでもなかろう 夏の残り香がする 冬の鼻息が聞こえる 過ぎた季節の足跡を 辿ることの容易さに この国に横たわる 空気にも似た 土台の盤石さを知る これを和やかな平常と呼ぶとして これを容易く動かしてはならない 来る春の彩りと出逢い 容易く辿れることが 終わることなく続きますよう 心から切に願うのである もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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田中談話 #converse

僕の趣味は 海外旅行です 友人と、もしくは単身で 特に東南アジアの国々を 数多く旅行しました (また旅行に行きたいなあ) 海外なんて金輪際来るものかと思うような 大きなトラブルに見舞われることなく 非常に楽しい経験をさせていただきました それは単に 運が良かっただけかも知れません それは単に 僕の警戒心が強かっただけかも知れません しかし僕は そうではない気がします デジタルカメラをテーブルの上に放り出したまま 一人、ローカルフードに舌鼓を打っていると 「カメラを鞄の中に仕舞なさい、盗まれるぞ」と 優しく注意してくれたマレーシアのお爺さん お金を払い忘れたことを思い出し 慌てて屋台まで戻って、ひたすら謝った際に 「気にするな、ところでお前は日本人か」と 笑顔で許してくれたフィリピンのお爺さん 美味しいチキンライスを屋台街で探していた際に 「俺のチキンライスを食っていけ、日本語も少し話せるぞ」と 美味しい料理を振る舞ってくれたシンガポールのおじさん 「俺は難解な漢字を書けるんだ」と レシートの裏に「麒麟(きりん)」と書いてくれた インドネシアの青年 「バスの運転手にこれを見せれば目的地へ行けるよ」と 現地語のメモ書きを渡してくれた 台湾の青年 などなど (時にはアヤシイおじさんにも遭遇しましたが) 生まれも育ちも異なり その場で会っただけにも関わらず そんな赤の他人である 色…

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渋滞 #poem

大樹の陰で 蝉が元気に鳴き 田んぼの片隅で 蛙も元気に鳴き 力及ばなかった球児たちは 相手校の校歌を聞きながら泣く そんな時期に 多くの者たちは 墓参りのため故郷へ帰るらしい 驚くべきことに そのような風習が 全国一斉に行われるものだから 主要な道という道は 故郷へ帰ろうとする車で 渋滞するのも無理はなかろう そんな大蛇のような 渋滞に巻き込まれた車中が 明るい雰囲気であるはずもなく  都道府県ごとが難しいとしても  せめて地方ごとに時期をずらせば  こんな渋滞は解消されるに違いない 助手席のひとりが 愚痴をこぼせば  そんな風に分けたところで  そこへ続く主要な道路は同じなのだから  渋滞が解消されるとは考えにくい  苗字の頭文字ごとに  例えばあ行、か行、さ行ごとに  時期を分ける方が現実的であろう 後部座席のひとりが 代替案を口にする  人数の多い苗字を考慮すれば  さ行、た行にとって  その案は不公平ではなかろうか  親族一同が集まることに意味があるため  苗字で分けるのは本末転倒であろう  やはり全国一斉にする他あるまい 運転席のひとりが 話を元に戻してしまう 誰のせいでもなく 再び車内が 重たい空気に包まれた それから しばらくして 時計の針はそれなりに進んだものの 車は僅かに進んだに過ぎなかった 大して腹は空いてはいないも…

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チケットゥー #poem

往復切符は 向かうためものではなく 戻ってくるためのものであり 戻ってくるなと 突き放すつもりなどなく もしも向かうことが 目的ならば 切符は片道分だけで それはそれは十分であり 二枚の切符を持っている時点で 目的とやらは 無色透明に近い薄さを持ち始め しかし 例え皺くちゃであろうとも 一枚の切符しか持たない時点で 目的そのものは 重厚な低音で唸り始める もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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暇無し貧乏 #poem

貧乏だから 暇が無いのか 暇が無いから 貧乏なのか いずれにせよ 自慢できるほど 裕福でないことは 間違いないようでして かと言って 裕福になりたい そういうわけではなく 少なくとも 暇が伴わない裕福は 想像すらし難く 暇が裕福の礎であろうと 空が多少曇っていても そう言い切れるのだ もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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ひつじ #poem

めえめえ 鳴くけど 紙を差し出されても むしゃむしゃ 食べるわけではないよ ましてや 全身の毛が 刈られていたならば この時期ならずとも 寒さが身に染みるもので 紙を差し出されたならば 真っ先に 鼻をかみたくなる そんな お年頃なのよ ともあれ 風邪などひかぬよう お互い健康に気を付けて 今年も一年よろしくお願いします もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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鯛 #poem

鯛焼きは 英語に訳すと ケーキの一種になるらしい それを クロワッサンに 置き換えたところで さほど大きな 違いなぞあるまいと 思い込んで そっぽ向いて 尻尾の向きすら 気に掛けず がぶり噛み付いた その断面から 餡(あん)の有無をチラリ見る その食べ方も まあ良しとしよう その一方で 仮説を立ててみれば クロワッサンの 生地を纏(まと)うことで 目の前の鯛が 定説を簡単に超えて 出世すると考えてみれば なかなかに面白いとは思わないかい ★ クロワッサンたい焼き http://www.croissant-taiyaki.com/ もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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虫の知らせ #poem

誤解されたくないので 念のために言っておこう 誰かに頼まれたわけではない ただ、少しばかり戸が開いていたから スルスルと入ってきたまでである そして、居心地が良かったので 部屋の片隅に居候させてもらいながら 何か頂戴できればと思ったまでである 別に食べ物を漁りに来たわけではない そんなものさほど食べずとも 死ぬわけではなし あればあったで困ることなし それにしても この部屋は私好みの 物陰ってやつがやたら多し そんなに私を嫌うのならば 少しは物陰が少なくなるよう あれこれや片付けてみては如何かね 偉そうに鎮座している書籍の数々、 いつ着るのか分からない衣服の数々 それらの好みに 鶏知(けち)をつける気は 毛頭ないものの ただでさえ狭い部屋を 一掃狭くさせるだけの価値が 一体どこに見当たるのか見当もつかず ともあれ、好きにしてもらって構わんが 私のことを忘れた頃にまた姿を見せてやろうかね もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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煉瓦と爆弾 #poem

その遺跡に残された建物のうち いくつかは当時の煉瓦(れんが)で作られたまま 黒く変色しているのが 年をとった当時の煉瓦であり 薄い赤土色なのが 若い煉瓦であり 建物はそれなりに痛んでおり 修復が必要な箇所もあるのだが 現代の技術では 当時と同等の頑丈さを持った 煉瓦を作ることが出来ないそうだ 技術が時代の流れとともに 必ずしも進歩するとは どうやら限らないようだ その一方、 黒い煉瓦が痛んでいるのは 経年劣化によるもの以上に 戦時中の爆撃によるものだそうだ 頑丈な煉瓦を簡単に壊す 爆弾を作る技術はあれども 遺跡を守らねばならぬという 意識はなかったようで 人類が時代の流れとともに 必ずしも進歩するとは どうやら限らないようだ もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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スロウライフ #poem

卓上の灰皿は 待ちくたびれて 壁の秒針は歩むのを ためらってしまうくらい ひたすらにのんびりと 小さな窓から 外を覗くのも悪くはない ただ気になるのは 湯気を吐かなくなった マグカップでも 何度注意しても直らない あなたの猫背でもなく おそらく 無意識のうちに 目で数えているであろう 曇りかけた窓の外で 次々とひらひらと 舞っては落つる 枯れ葉に一体何を重ねているのかということ もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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うめ #poem

桜の季節を 待ちわびる声がして それまでの 場繋ぎとして 捉えられようとも 悪い気はせず 寒さ耐える 我が身ですら まだ蕾(つぼみ)ゆえ そのような声は さほど気にはならず 開花は結果ゆえ 経過を重んじることに その美学を見出だすならば 頑なな硬さを持った この蕾にこそ 一心不乱な視線を注ぎ やがて来るであろう やわらかい陽が注ぐ あたたかい日々を想い 空想の限りを尽くし 頭の中に 蝶々を舞わすも良し 雪解け水で 小川の水嵩を増すも良し そして 春を産め ★ 湯島天満宮 http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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絵馬 #poem

ええ、まあ 人それぞれ お願い事があって それはそれで自然なもので お願い事を 言ってはいけない 決まりなどは何処にもない それらのうち どれを叶えるかについては こちら側の問題である ええ、まあ 此処だけの話 選ばれ易い お願い事の書き方を知るべし 多く見受けられる 合格やら健康やら恋愛成就 それらは単なる我儘(わがまま)に他ならず 言ってしまえば それらが叶ったところで 我々には得られるものが 無いように見受けられてしまう せめて 合格することで 健康であることで 恋愛成就することで そちら側の世界が どのように改善されるのか その点にまで 一歩踏み込んで 言及していただきたい 我々もそれなりに忙しく いついつまでも 雲の上から 見守っているわけにも なかなかいかぬもので 神頼みを卒業して 自立してもらえぬものかと 声を掛けても地上までは届かず ええ、まあ このような我々の願いも そちら側からすると 単なる我儘なのかも知れぬ もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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あま #poem

甘い 珈琲ではなく 苦い 珈琲を注文するのは 僕の場合 それなりの 理由があるもので 例えるならば 味覚を常に中立に 保っておきたいと思うから 甘い甘い 生クリームたっぷりの ショートケーキを たらふく食べるならば それはそれは 苦い苦い珈琲がないと 僕の味覚は いとも簡単に狂って 味の良し悪しに関する 中立な判断が 出来なくなってしまう もしショートケーキがなくとも 甘い甘い ハニーシロップたっぷりの 一見生産性に欠けた 時間を過ごすならば それはそれは 苦い苦い珈琲がないと 僕の感覚は いとも簡単に狂って はて、一体 どうなってしまうのでしょう もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村 Distinguished Leaves: Poems for Tea LoversQuillerElizabeth Darcy Jonesユーザレビュー:Amazonアソシエイト by History of Tea, The: As Seen in BooksRemember WhenClaire Hopleyユーザレビュー:Amazonアソシエイト by

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いま #poem

国民の祝日に関する法律を 紐解けば次のように書かれている  成人の日  一月の第二月曜日 おとなになつたことを自覚し、  みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 どうやら 新成人に限った話だとは 書かれていないようである おとなか否かの境界線に関する 議論は横に置くとしても みずから生き抜こうとする という響きが心地よい 細かいところを突(つつ)くようだが 生き抜いている、ではなく 生き抜こうとしている、というところに 先代たちの期待感が さりげなく 容赦なく 含まれている辺り これまた心地よい できるかどうかは別にして やるだけやってみろと 強く背中を押してくれている そういう感覚である さて、話は 冒頭に戻るが 祝いはげまされるのが 新成人に限った話ではないとして 成人の日という いま、今日くらいは 旧成人である自分が 祝いはげます側に立つのは 重々におこがましいものであり せめて、改めて みすから生き抜こうとしているか 考えてみる一日にしてみようか ★ 谷川俊太郎の「成人の日に」という詩は何に載っているか http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000003952 もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料…

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うま #poem

そんな旨い話が あるものか ただ何もせず ぐうたらと 毎日三食 いただけて 夜更かししては 昼前にごそごそと起きる 気分転換に 飼い犬と戯れ 小遣いまで貰える そんな旨い話が あるものか 正月三が日以外にあるものか 飼い犬と 戯れるのにも そろそろ飽きたから 雨が降らないうちに 元の生活へと戻ろうか もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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ビコーズ #poem

神様はいると思うかね 先日 紅葉を見ようと 少し足を伸ばして 吉祥寺にある 公園まで 出掛けてみた いわゆる気まぐれである スマートフォンのお陰で 下調べする必要もなく いとも簡単に 公園まで辿り着く 神様はいると思うね 公園の入り口で 何やらひとつ 見慣れないものが ぽとりと地面に 落ちているのに気付く いわゆる偶然である 濃い茶色で 全体的に起毛しており 変形した筒の様に見える どうやら靴のようである 大きさから察するに 小さな子供の履く靴が 片方だけ ぽとりと地面に 落ちているのに気付く 背後から 少し大きな声が 聞こえてくるのにも気付く どこでブーツを落としたんだい ベンチに我が子を立たせたまま 困り顔をした父親の声である 残念ながら彼の息子は まだ会話が出来ないようである 僕は おそらく父が探しているであろう その靴をゆっくり拾い 振り返りベンチへ向かう いわゆる親切である サンタクロースという男は ブーツの中にプレゼントを詰める 変わった親切を行うそうだが 困った父子に ブーツを届けるのも なかなか悪くない気がした そのブーツは もう少し イチョウの落葉の上で 寝転がっていたかったのに そう言いたかったのだろうが いわゆる気のせいである だから、僕は サンタクロースはと…

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師走の大発見 #poem

最近発見した事はと 問われれば、 ビールにおいては 最初の一口が たまらなく旨く タバコにおいては 最後の一本が たまらなく旨い そう答える だから 僕は 金曜の晩に 都心のイルミネーションに群がる 浮かれた喧騒から逃げるべく 至福のひと時を 人知れず得るため タバコの箱の中には 最後の一本を残したまま 近所のコンビニに 立ち寄って お気に入りの 缶ビールを ひとつだけ買う いや、 正確に言うと さっと会計を済ませ コンビニを出た その瞬間から すでに 至福のひと時とやらは 始まっていたのかもしれない もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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クール! #poem

長年活躍してくれた 冷蔵庫は いつの間にやら 壊れてしまったらしく 僕はマフラーを首に巻いて 家電量販店へ出掛けた 冷蔵庫に 多くを求めない そういう性分ゆえ よく似たものを 簡単に見つけると これをくれ、と店員に告げた 壊れてしまったものは いくらか払えば 簡単に引き取って貰えるらしく 長年活躍してくれた その恩に 後ろ髪を引かれたものの 冷たいようだが そうしてくれ、と即答して 契約は成立した 僕の部屋は ふたつも冷蔵庫を置けるほど 空間に余裕などなく 一週間後の夕方 新旧入れ替わった まだ中身は空っぽであるにも関わらず 新しい冷蔵庫は ピカピカ光りながら ウンウンと静かに唸りながら 一生懸命に その働きっぷりを 自慢しているかのようで 僕はそれを 半ば冷ややかな目で 見てしまう一方で 頭を冷やして 少し考えてみると この一週間 冷蔵庫なしで なに不自由なく暮らした この僕に冷蔵庫が 本当に必要だったのか 甚(はなは)だ疑問である もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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缶コーヒーリレー #poem

世の中のコーヒー通に言わせれば 缶入りのコーヒーは コーヒーじゃないんだとさ おそらく 製法やら風味やら香りやら そういう観点での差異を 論じたいのだと思うよ でね、 その意見が正しいとか 缶入りと それ以外とを比較して 優劣を決めたいとか そんなつもりは 毛頭なくてさ 今まで飲んだ中で 一番旨かった 缶コーヒーってのが 俺の中にはあってさ でね、 生まれて初めての アルバイト先で 何気なく差し出された 1本の缶コーヒーが たまらなく旨かったのさ アルバイト先ってのが 家から少し離れた 学習塾だったんだけど いくら時給が 良かったとは言え 大学受験に合格するために 予備校に通ってた 俺が塾で講師をやるってのが そもそも 間違っている そんな気もするけどさ でね、 初アルバイトが 初授業で それなりに 緊張していた そんなわけでさ 生徒からどんな質問をされても 即答できるようにせねばいかんと 初授業の始まる2時間も前から 学習塾へ出向いてさ 教材の隅から隅まで凝視して 少しでも分からない箇所があれば 徹底的に辞書で調べまくるのよ そこまでやる必要なんて どこにもなかったんだけど 当時は要領が悪かったんだろうね でね、 そんな俺を見かねてか 講師控え室の隣で 事務作業をしていた 塾の責任者が …

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台風30.5号 #poem

とある島国に とても大きな台風が 東からひとつやってきて ごうごうと 一晩中暴れたから 漁村や 農村は がれきの山 多くの村民は 怪我と空腹に苦しみ 由緒ある寺院でも 木造の鳥居に 大きな損害を受けた 東からきた台風が去った後 その島国に とても多くの企業が 西の国からやってきて 漁村や 農村に 水道と電線を整え 工場を建設し 多くの村民に 傷薬とパンと作業着を配り 工場で働くよう促し 由緒ある寺社すら 頑丈にするためだからと 鉄骨へと改築してしまった それから数年 西からきた台風は いつ去っていくのだろうかと 村長たちは静かに その時を待っていた もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村

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みぎてひだりて抹茶ラテ #poem

窓際に座る 男女の静かな会話 女性は話す 左手はみっともないからと 文字を書く際には 右手を使うように教わった そう言うと 抹茶ラテの入ったカップを 右手でつまんで 唇へと運ぶ その仕草を見て 男性は話す 右手で投げるよりも 良い戦績を残せるからと 左手で球を投げるように教わった そう言うと 抹茶ラテの入ったカップを 左手でつまんで 唇へと運ぶ お互いの利き腕が 逆だったら 良かったのかもねと 女性はひとり 心の中で呟きながら 降り始めた小雨を見上げる 壁掛け時計の 長針が僅かに進み 男性は 抹茶ラテを やや乱暴に飲み干し 咳払いを ひとつすると 何やら一言二言 ゆっくりと伝えては 鞄の中から 指輪を取り出し 女性の薬指に そっと差し込んだ あっと言う間の出来事に 女性は目を丸くしたままだった 男性が指輪を 取り出したのは 右手だったか 左手だったか 定かではなかったが 女性にとっては どちらでも良かった もしよろしければ下のボタンを押してやって下さい(無料)。ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます。にほんブログ村 ・・・と、 前振りが長くなりましたが 告知でございます 片手でつまめるかどうか 抹茶ラテを注ぐかどうか それらは別にしまして 素敵な茶器を 無料でご覧になれる 展示会が開…

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カルチャ #poem

セロリを好んで食べる そういう文化圏で 君は生まれ育ち セロリを好んでは食べない そういう文化圏で 僕は生まれ育ち 食文化の違いは ショッキングなほどに 大きな溝となり得るのかも知れない かも知れない けれども どちらが 正しいとか どちらが 間違っているとか 白黒ハッキリさせない そういう文化圏で お互い生まれ育ったことにすれば 大概のボーダーは 助走なしでも 簡単に飛び越えられる そう思うぜ もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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ロカ #poem

より精細で より美麗な 画像が 映像が 今まで以上に身近になる より高速で より大量の 通信が 放送が 今まで以上に身近になる それらに 溺れることなく 目を奪われることなく 常に見据えていたいのは 物理層の 更に 奥に 在(あ)るはずの 血の色をした 眠気を伴う 苦悩に 彩(いろど)られた どろっとした何かである さて いつぞや以来の告知ですが 来(きた)る 2013年10月18~20日の3日間 東京都港区の増上寺にて 「ものづくりの祭」が開催されるそうです 実弟の作品も 展示されるようですので よろしかったら足を運んでやって下さいね ★ 天祭一〇八 http://www.pakupakuan.jp/event/tensai108.html もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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リニアと月 #poem

リニアの力で 東日本と 西日本が 今までよりも 短い時間で 繋がったとしても その速さで 月へ行くのは おそらくだが難しそうだ 線路を敷くのが 大変そうだし 宇宙食の駅弁は おそらくだが食べにくそうだ 何より わざわざ 月まで 行かずとも ここで こうやって 月が持つ曲線を のんびりと 眺めている方が おそらくだが楽しそうだ もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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エテクノロジー #poem

台風が来る 台風が来る時の 不思議なワクワク感は 何らかの テクノロジーのせいで 普段の生活では 縁遠くなってしまった 本来ならば 抗うことすら難しい ただひたすら 受身にならざるを得ない 確実な危険を はらんだ筈の 大きな大きな力が やって来る そのゾクゾク感が 何らかの テクノロジーのせいで 別の感覚に変換されてしまった そういう風な 哀れな結果なのだろう もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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ラブ&ペース #poem

煤(すす)まみれの 顔とは対照的に その機関士の髪は白かった よく大声で笑うせいか 年齢の割りに 目尻の皺は深かった しかし不思議な事に 実際の年齢よりも 若く見えたものだ、と 彼の昔を知る者たちは口を揃える 職業柄 職人気質 だったせいか あまりに 機関車が 好きだったせいか 機関士になった朝から 眉間に皺を寄せては 周囲の意見も 全く聞かん始末で 機関士になった日から 十年近くが過ぎた そんなある朝 無理を押して 出発した嵐の日は あわや大惨事になる始末で その日を境に 彼は何かを悟ったのか 皺は眉間から目尻へと移り 毎朝 時計の針さえ 何時何分かを差せば ただ高らかに 汽笛を鳴らしては もくもくと煙を吐かせ 彼自身は それ以上に 朝から晩まで 黙々と働いてきたのだ、と 彼の昔を知る者たちは口を揃える 嵐の日だけは例外である、と 彼の昔を知る者たちは口を揃える もしよろしければ、 上のボタンを押してやって下さい(無料) ポイントが加算され、僕が「うほっ」と喜びます

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